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    覚醒下手術




  •  神経膠腫と呼ばれる脳腫瘍は、正常脳に浸潤性に境界なく広がるタイプの腫瘍で、脳腫瘍全体のおよそ3分の1を占めます。正常脳との境界がはっきりしない腫瘍ですが、神経膠腫の患者さんを救うには、最大限の腫瘍摘出と脳機能の温存を両立する手術が必要です。


    左:浸潤性腫瘍(白くなっているところに腫瘍がいます)
    右:病変周辺の運動神経線維(錐体路)



     覚醒下手術は,文字通り、手術の途中で患者さんの麻酔を覚まして行う手術です。麻酔から覚めて、意識のはっきりした状態の患者さんと会話をしながら手術を行うことで、言語や脳高次機能、そして細かな手指の運動機能も確認しながら手術を遂行でき、神経機能の温存を第一に考えた治療を行うことができます。覚醒下手術は、高度な麻酔管理、術中看護、臨床工学士、言語聴覚士など多様な医療スタッフで構成されるチームで実施します。
     当院では、2017年から本手術に向けてのチーム作りを行い、2018年7月から覚醒下手術を開始しました。島根大学病院の総合力を生かし、今後も安全な脳神経外科医療を提供して参ります。


    術中には、タブレット端末に表示される絵を答えてもらい(左)、
    また紐を結ぶなどの手指の細かな運動機能を確認しながら(右)手術を行います。