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神経内視鏡治療
内視鏡といえば上部・下部消化管内視鏡(胃カメラや大腸カメラ)、また胸腹部の手術で行われる胸腔鏡・腹腔鏡などが思い浮かぶでしょう。実は頭蓋内疾患に対しても、近年内視鏡を用いての手術が行われています。
代表的なものとしては脳出血・水頭症・頭蓋底腫瘍などです。
脳出血の手術は大きく開頭して顕微鏡下に手術することが一般的です。内視鏡を用いる場合には頭蓋骨に一円玉程度の穴を空け、そこから内視鏡を頭蓋内に挿入して血腫を吸引除去(写真1)するため、傷も小さく済んで術後のリハビリテーションも進みやすい利点があります。

左:術前 右:術後
また水頭症については脳室腹腔短絡術(VPシャント術)や腰椎腹腔短絡術(LPシャント術)という人工の管を留置する手術が一般的ですが、松果体部や第3脳室内の腫瘍、中脳水道狭窄や小児先天性水頭症等、閉塞性水頭症の病態によっては、内視鏡を用いて脳室壁(第3脳室底)にバルーンで穴をあける(第3脳室底開窓術,写真2)ことで髄液の流出路を確保し、人工物を留置しなくても水頭症を改善することが有効なこともあります。

その他にもこれまでの顕微鏡手術では術野の裏が見えない部分でも、内視鏡を挿入して裏側を確認することが可能です。また今では頭蓋底の腫瘍等を、鼻から内視鏡を挿入して摘出することも行われています。
もちろん従来の手術方法が好ましいこともありますが、出来る限り患者さんに負担が少なく安全な手術をお勧めしています。