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    脊髄脊椎外科




  •  脳神経外科は脳だけでなく、全身の神経を対象としているため脊髄とそれに影響を及ぼす脊椎についても治療を行っております。
     代表的な疾患に頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脊髄血管奇形などがあります。
     当科では脊髄腫瘍と脊髄血管奇形を対象として主に治療を行っており、当院の整形外科と協力しながら手術を行うこともあります。
     ここでは、脊髄腫瘍と脊髄血管障害についてご説明いたします。

    脊髄腫瘍 脊髄血管障害







    【脊髄腫瘍】


     脊柱管という脊髄を収納している腔管の中に発生し、脊髄やその脊髄からでる神経を圧迫する腫瘍のことを総称して脊髄腫瘍と呼びます。
     脊髄腫瘍も脳腫瘍同様にたくさんの種類がありますが、代表的なものとして星細胞腫、上衣腫、神経鞘腫、髄膜腫、血管芽腫、海綿状血管腫や転移性腫瘍があります。

    [ 症状 ]
     脊髄腫瘍による症状として次のようなものがあります。

    ①痛み
     腫瘍、特に悪性のものによる神経根痛は安静にしても改善しないことが多く、注意が必要です.
    ②感覚障害
     感覚障害の範囲が徐々に広がる場合は腫瘍の可能性があります.
    ③運動障害

    [ 診断 ]
     レントゲン、CT検査、MRI検査、PET-CT検査、神経生理検査など

    [ 治療 ]
     摘出術が治療の基本になりますが、後療法として放射線治療を追加することもあります。
     また血管芽腫のように血管に富んだ腫瘍の場合は、安全に摘出術を行うために手術前に血管内治療による塞栓術を行うこともあります。

     それぞれの詳細な情報につきましては、担当医にご相談ください。



    【脊髄血管障害】


     脳血管障害と同様に脊髄の血管障害も出血性のものと虚血性のものの2種類があります。
     血管奇形による出血が多いことが特徴です。
     代表的なものに、脊髄動静脈奇形、硬膜動静脈瘻があります。

    [ 発症の仕方 ]
    ①出血
     頭痛の原因となるくも膜下出血、突然の運動・感覚麻痺を呈する髄内出血を生じることがあります。
    ②静脈の灌流障害
     脊髄の静脈の流れが悪くなるために、脊髄に浮腫みが生じ、様々な症状が出現します。
     代表的な症状として、下肢の運動障害、感覚障害、背部痛、膀胱直腸障害などが認められます。

    [ 診断 ]
     CT、MRI、カテーテルを用いた血管撮影が診断に有用と考えております。

    [ 治療 ]
     手術と血管内治療が選択されます。
     摘出や動静脈短絡の遮断が可能な病変であれば手術が推奨され、摘出不可能な病変に対しては血管内治療が推奨されます。


    脊髄表面の拡張した血管の原因を、血流を評価した上で熱凝固切断



    それぞれの病態、また全身状態を総合的に考えて、適切な治療方法をご提供致します。